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武藤一彦のUSPGAツアーリポート

 3戦2勝、賞金レーストップの宮里藍が予選落ちした。
 米女子プロツアー、メジャー第1戦「クラフトナビスコチャンピオンシップ」
はカリフォルニア州パームスプリングスのミッションヒルズCCで熱戦を
展開しているが、日本期待の宮里はよもやの予選落ちとなった。

 予選ラウンド2日間、36ホールバーディなしのふがいなさにホールアウト
後、気丈な宮里も涙を流した。

勝負を賭けたセカンドショットはまさかの池ポチャ・・・
6年連続出場での初の予選落ちに涙

 第2日、1番をダブルボギースタート。3番もボギーとし、インの12番も
ボギー、最終18番パー5は485ヤード、2オンを狙った3ウッドのショット
は"浮島グリーン"に届かず、水しぶきを上げた。

 第1日、2ボギーのバーディなし。2日間ついにバーディなし。
 05年から6年連続出場の開幕メジャーで初めて予選落ちの憂き目にあった。

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初日ノーバーディ2ボギーの74、通算2オーバーの52位タイとやや出遅れ
2日目の巻き返しに期待がかかるも無念の結果となった

 宮里に何が起こったか。直接的にはパットの不調といえるが、アメリカの
壁だろう。パットは2日間合計59。第1日は30パットだった平均パット数は
2日目も29と振るわなかった。

 グリーン上に精彩を欠いては、宮里らしさが出ないのも仕方がなかった。
ティショットのフェアウエイキープは2日間で17、グリーンオン数も36ホール
で半分しかなかった。
 全体的にいらだちが募り、コースマネージメントも的確にできなくなった。
ゴルフの難しさだろう。

"空気を読む"宮里の緊張の糸はまた強く張られるはず
タフなアメリカ本土での活躍が待ち焦がれる

 懸念はあった。
 今季、タイの開幕戦「ホンダPTT」を逆転優勝、シンガポールに転戦
した2戦目の「HSBCチャンピオンズ」は首位タイでスタートした最終日、
パットに苦しみ大混戦の波にもまれたが、逃げ切って開幕2連勝。
 だが、アジアから米カリフォルニア州のラコスタリゾートでは振るわず、
39位タイ、そして今回の予選落ちである。
 アジアの好スタートは、アメリカでは通じなかったということだろう。

 いま宮里が好むと好まざるとにかかわらず、周囲の空気は米本土での
活躍だ。だが、アジア2連勝では「あのコースセッティングなら、宮里が
勝ってもおかしくない。しかし、米本土に行ったらああはいかないよ」
ある男子プロの海外経験者が言っていた。
 丸く平らなグリーン、多くはリゾートコースで、素直なコースは日本人
向け。しかし、タフなアメリカでは、との本音トーク。

「KY」空気を読めない、無神経な人に向けた揶揄。そんな言葉を発する
方がKY かと思っているが、宮里は神経の隅々を張り詰めた気くばり人間。
周囲の期待感を人一倍受け止めているだけに、いまの空気を読んで気になって
いるに違いない。「アメリカで勝ちたい」の強い気持ちは、今回はメジャー
だし、「ひとつやってやろう」に転換した。しかし、結果は裏目に出た。

 アメリカのツアー、本土での優勝が待たれる。だが、華やかな開幕メジャー
でのつまづきで課題が重くのしかかった。
「開幕2連勝で期待感が出た、その中で精一杯やった結果が出た。悔しく
もどかしいが精一杯やったから・・・」と語る宮里。
 緊張の糸が切れると声をあげて泣いたという。
 思い詰め、張り詰めた5年目のアメリカ挑戦がここから始まる。

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イングランドのカレン・スタップルズが通算10アンダーの単独首位で最終日を迎える

写真はGDOより

◇武藤 一彦(むとう かずひこ) ゴルフジャーナリスト 評論家。
報知新聞社運動部、編集委員、専属評論家を経て現職。トーナメントの
テレビ解説、コラムなど幅広く活躍。日本プロゴルフ協会(JPGA)理事、
日本ゴルフトーナメント振興協会メディア委員会委員、世界ゴルフ殿堂
選考委員。1939年11月、東京生まれ。

Date:2010.04.05 Category:リポート