ジャンボ尾崎、114勝に向けての飽くなき戦い!
この度の『ジャンボ尾崎将司プロ特集』の中でも目玉となるのが今回掲載する愛用クラブの特集です。特にジャンボ尾崎プロが大事に保管する歴代の愛用クラブは、ほとんどが刻印付きで、実際にジャンボ尾崎プロが数々のトーナメントで使用したモデルとして、これまでは門外不出でした。
武藤一彦のPGAツアーリポート
石川遼がその驚異の成長に、また1ページを加えた。
第51回を迎えた「中日クラウンズ」の最終日、首位から6打遅れの
石川は12バーディ(ノーボギー)を奪い、1ラウンド、58という驚異の
スコアをマーク、大逆転をやってのけた。

怒涛のバーディラッシュが
祝福の波となったツアー新記録
「中日クラウンズ」が開催された愛知・名古屋ゴルフクラブ和合コースは、
全長6545ヤード、パー70の大会規模。
最終日、1アンダー18位タイからスタートした石川は、1,2番を連続
バーディ、4,5,6番で3連続、8,9番もピンそばにショットを寄せる
連続バーディでアウト28をマーク、この時点でトップに立つと、インの10,
11番もバーディ、14番ではカラー部分から11メートルのバーディパット
を決め、続く15,16番もバーディとし、インも30のトータル12アンダー
の58、4日間通算13アンダーのスコアで2位に5打の大差をつけて圧勝
した。

コースは6545ヤードと日本ツアーでは最短設定とは言え、毎年、硬く
締まったグリーンは各プレーヤーのショットの精度が試され、さらに高速で
アンジュレーションのあるパッティングにも選手たちは絶えず神経をすり減らす、
難度の高いトーナメントとして知られる。
石川も初日は2アンダー68の17位タイ、2日目はパープレーの70ながら
14位タイと順位を上げたが、優勝するためにはロースコアを必要とする勝負
の第3ラウンドで、1オーバー71とスコアを伸ばせず18位タイ、首位の
丸山茂樹と6打の大差がついていた。


「1,2番でバーディを取れれば優勝のチャンスは出てくると、あきらめて
いなかったらその通りになった。4,5,6番とバーディがきて優勝できる
波に乗れた。でも夢のよう、いまだ信じられない。冷静になった時どう感じる
のでしょうか」
ホールアウト後は、唇がわなないたほどの興奮を味わった石川。ファンの
祝福の波の中、喜びよりもその前の3日間の苦悩のゴルフを思い出したのか、
時折、目頭を押えながら歩く姿が印象的だった。
この優勝が意味すること
数字だけに留まらない石川の驚異
1ラウンド58の快スコアは、03年「アコムインターナショナル」(茨城・
石岡GC)で倉本昌弘が出した59を上回るツアー新記録。かつて丸山茂樹が
全米オープン予選で58をマークし世界的な話題となったが、「イシカワ」の
名は今回も日本ツアーから世界へ発信された。
「58」という数字だけを見ると、世界的には、かつてこの試合に出場した
こともある名手ゲーリー・プレイヤーが56というスコアを出しているが、
比較は難しい。ヤーデージ(距離設定)など、大会ごとにコースやコンディション
でスコアが変わってくる。数字だけにこだわると、ゴルフの見方を間違える。
あまりこだわりたくない。
こだわりたいのは、日本のゴルフ界にとっての「中日クラウンズ」という
大会、そして舞台となった「和合コース」は一流プロにとっても難コースと
して知られ、そのため春の最難関トーナメントとして長い歴史に君臨してきた
ということである。そして、これから先もその歴史に注目したい大会なのだ。
今回、この大会は51回目。半世紀を過ぎ、新たな時代へスタートを
切った。その新時代のスタートを弱冠18歳の石川が豪快に幕開けした。
そのことに意味、意義がある。

果てしない成功の毎日を歩んだ3年間
"明日も頑張る"が生んだ58
15歳、高校1年生で日本ツアーに勝ち、周囲をアッと言わせたのが
07年5月。その3ヶ月後の日本ジュニアで「負けられない」と固唾を呑み
下しながらプレッシャーに押しつぶされながらもようやく優勝するという、
変な高校生を見ながら唖然としたのが、ついこの間のように思い出される。
だが、あれから3年、その間に石川のやったことの分厚さにまた唖然と
するのである。マスターズ出場、日本ツアーの賞金王。その間、期待が大き
過ぎて失敗をみんなが恐れた。時に石川は、果てしない成功の毎日をひたすら
前に進んでもろく見えたこともあった。
しかし、今回。そのひたむきな歩みが間違っていなかった。
その証明が58ではなかったか、と受け止めるのである。
大会3日目が終わった直後、石川は言っていた。
「今日は3日間で一番ショットがよく、ゴルフもよかった。でもスコアは
3日間で一番悪かった。明日も頑張ろうと思います」
"明日も頑張る"それができると、58というゴルフが現実のものになる。
石川はやはり日本人ゴルファーの夢を託せるプロなのだ!
写真は GDOより
◇武藤 一彦(むとう かずひこ) ゴルフジャーナリスト 評論家。
報知新聞社運動部、編集委員、専属評論家を経て現職。トーナメントの
テレビ解説、コラムなど幅広く活躍。日本プロゴルフ協会(JPGA)理事、
日本ゴルフトーナメント振興協会メディア委員会委員、世界ゴルフ殿堂
選考委員。1939年11月、東京生まれ
Date:2010.05.03 Category:リポート