ジャンボ尾崎、114勝に向けての飽くなき戦い!
ジャンボ尾崎プロはギアのゴルフクラブへの卓越した理論を持つばかりかゴルフコース設計に対しても一家言持っている。これまで国内外合わせて11コースの設計を監修しているが、そのどれも高い評価を得ている。そこですべてのコースで共同作業したコース設計家の佐藤謙太郎氏にお話を伺った。
ジャンボ尾崎、
114勝に向けての飽くなき戦い!
文・写真:大山 郁夫

この度の『ジャンボ尾崎将司プロ特集』の中でも目玉となるのが今回掲載する愛用
クラブの特集です。特にジャンボ尾崎プロが大事に保管する歴代の愛用クラブは、
ほとんどが刻印付きで、実際にジャンボ尾崎プロが数々のトーナメントで使用した
モデルとして、これまでは門外不出でした。それを今回はジャンボ尾崎プロのご厚意に
より数々の優勝カップやトロフィとともに『プレミアムゴルフ』の読者だけに公開を
許されたものです。
その意味でもジャンボファンならずともゴルフクラブ愛好家にはまさに垂涎の的では
ないかと思います。
愛用モデルを紹介する前にジャンボ尾崎プロのクラブに対する“こだわり”とクラブの
変遷をちょっとだけご紹介しましょう。
ジャンボ尾崎プロはその卓越したクラブ理論にも定評があります。そしてそれは
彼がブリヂストンスポーツ(BS)と契約してから顕著に表れてきます。
契約当時から数年間、ゴルフ界におけるウッドクラブは丁度パーシモンヘッドから
メタルヘッド(ステンレス製)への過渡期でした。しかし契約した当時のBS
(ブリヂストンスポーツ)にはジャンボ尾崎プロが自信を持って使えるモデルがなく、
ドライバーは以前からの『マグレガー ターニーモデル』のパーシモンヘッドを
使っていました。
余談ですが、当時はジャンボ尾崎プロをはじめ世界のトッププロがパーシモンヘッドの
ドライバーを使用していたために、名器と呼ばれるクラシッククラブのパーシモン
ヘッドのウッドクラブが中古クラブでありながら高額な値段で取引きされていたものです。
そのような時期、米国遠征の時にジャンボ尾崎プロの目に留まったのが、テーラーメイド社
のメタルウッド(テーラーメイドの登録商標)でした。『ツアープリファード』という
このクラブはステンレス製のヘッドで、米国のツアープロたちもその性能の良さから
使用者が増えている頃でした。
ところがもともとこのクラブは練習場のレンタルクラブ用として開発されたものなのです。
柿の木が素材のパーシモンヘッドのドライバーは、傷や破損が激しくメンテナンスに
難があったため、それに代わる素材として採用されたのがパーシモンヘッドと同様な
重量があり破損のないステンレス製金属ヘッドだったのです。
こうして誕生した『ツアープリファード』メタルウッドは、その後ツアープロが使う
ようになって、瞬く間に全世界で大ヒットすることになりますが、その前にその性能を
いち早く見極めたジャンボ尾崎プロは、日本に持ち帰りトーナメントで使用すると、
日本でも一大旋風を巻き起こすことになります。さらにこのクラブには金色のカーボン
シャフトが装着されており、実際にトーナメントでジャンボ尾崎プロが使用して
活躍したために、各クラブメーカーがこぞって真似をするという“ゴールドシャフト”
ブームにもなりました。
このメタルウッドの使いやすさ攻めやすさを踏襲して後に誕生するのが魔法のクラブと
言われた『J’s』メタルです。でも当時のドライバーの容積はせいぜい200から
230CCほど。現在のような460CCの半分くらいでした。その理由は素材の違い
です。パーシモンヘッドと同様の容量・重量にはステンレスが最適でした。
現在はヘッド素材と言えばチタニウム(合金)が主流ですが、当時はチタニウムの
加工技術が一般的でなかった上に単価が高かったのです。しかしその後、安価な
加工技術が定着すると比重の軽いチタニウムが採用され、それとともにヘッドは
よりラージ化され、打ちやすさの証明でもある“スウィートエリアの拡大”を実現し、
現在のように簡単に打てて飛ばしやすいクラブになったのです。
その他にもジャンボ尾崎プロはゴルフ用品の分野でも数々の功績を残すことになります。
いくつか挙げると『プレジションFMシャフト』の紹介や2ピースボールの使用、さらに
のちにオリジナルブランドの『ジャンボMTNⅢ』から世界でも初採用されたピッチング
サンド(PS)などがそうです。現在ではごく当たり前のゴルフ用品ですが、これも
ジャンボ尾崎プロが他のプロに先駆けて使用し活躍したから定着したと言えます。
ところで肝心のクラブに対する“こだわり”ですが、
「クラブ担当が常に最先端の素材を使い最先端の技術を駆使して開発したものには
悪いものはないはず。それを使いこなすのがプロだろう?」とジャンボ尾崎プロは
シャイな面を覗かせて語ってくれましたが、実はデザインの段階で事細かに指示を
もらっています、とは開発スタッフのコメントでした。
こだわりとして強いて言うならば「たとえそれが初心者用でもいいものはいい」という
“いいもの”に対する貪欲さとすぐに実践する行動力です。そしてそれらが今日も
第一線で活躍するジャンボ尾崎プロの原動力になっているのは確かなことです。
そして面白いことにジャンボ尾崎プロのクラブに対するこだわりが今日のツアー界に
蘇っていることです。それは現在、世界のトッププロが使用するアイアンです。
フェース面にスウィートエリアのある従来のキャビティバックに代わり、スウィート
スポットのあるマッスルバックタイプのアイアンが多用されています。今や各メーカーが
開発するマッスルバックモデルの原型になっているのは、実はかつて名器と言われた
『ジャンボMTNⅢ』と言っても過言ではありません。

















