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取材・文:大山 郁夫

『プレミアムゴルフ通信』創刊号の中で、
渡辺 司プロが昨年のシニアツアーで活躍出来た最大の要因に
「パットの開眼」があった、
というお話をしました。

その内容を詳しくリポートします。

渡辺 司プロは皆さんもご存知の通り、あの"世界のアオキ"こと青木 功プロの
愛弟子として知られるトッププロです。レギュラーツアー連続20年間シード権堅持
するなど、青木プロ直伝の正確なショットが定評ですが、そんな渡辺プロでも
実はレギュラーツアーにおいての勝利は2勝だけでした。

しかし、シニアツアー参戦の昨年は、念願の公式戦「日本プロシニアゴルフ選手権」
翌週の「富士フィルム」と2連勝し、最終戦までもつれこんだシニア賞金王争いこそ
僅差で敗れたものの、大活躍したシーズンでした。

その大活躍した要因が前述した「パットの開眼」にあったというのです。

 

渡辺司プロがいう「パットの開眼」とは、パッティングする時の構え、すなわち、
アドレス時の両手の位置を変える、というものです。

渡辺プロはシニアプロの中で流行っている長尺パターではなく通常の長さのパターを
今でも愛用しています。そのことを念頭に入れて渡辺プロのアドバイスをお聞きください。

「まずパッティングで一番重要なことは、打ち方ではなく、自分がイメージするパットを
する上で、いかにスムーズなストロークが出来るかです。もちろんボールとカップまでの
距離感の把握や傾斜の状況判断も必要ですが、これらのことについては自分的にこれ
までと全く変わりありません。

変えたことはアドレス時にパターをグリップした時の両手の位置です。

すなわちロングパットの時とショートパットの時の両手の位置を変えたら、
自分のイメージ通りのパッティングが出来、面白いように入ったのです。

もっと分りやすく言いますと、ロングパットの時はボールとカップまでの距離があるため、
目線を高いところに置いた方がストロークしやすく、入る確率も高くなります。
その延長上が長尺シャフトのパターです。その意味では長尺パターはロングパットに
有効と言えます。

しかしプレー中2本のパターを入れる訳にもいきませんので、
通常のパターでパットすることになりますが。

 一方、ショートパットは目線を低くした方が入る確立が高く、ストロークもしやすくなります。
そこで気が付いたことが、アドレス時の前傾角度を変えるということです

すなわちロングパットの時は前傾角度を浅めにし、ショートパットの際は深くする、
ということです。
でも前傾角度を変えるといっても極端にするのではなく、約2~3度、地面からの距離に
換算すれば約5センチ程です。

でもこのわずか5センチのグリップ位置の違いが、
これまでとは明らかに違い、パッティングの確率を飛躍的に向上させ、
結果的には私のゴルフを大変身させたのです。

こうしてみると実に簡単なことなのに、何でレギュラーツアー時代にこのことに
気が付かなかったのだろう、と今では後悔しているくらいです」

では実際にアマチュアの方がこの渡辺プロのパッティングスタイルを参考にするには、
という問いかけに対しては、

「最初にアマチュアの方に言いたいのは、特にショートパットの時、パターを持つ際、
グリップエンドぎりぎりまで長くグリップし過ぎる方が多いということです。
その結果、ストロークに安定感がないのです。

ショートパットは確実にカップインしなければ、スコアの維持やアップは図れません。
だからと言って短いサイズのパターを使うというのではありません。

とにかく打ち方ではなく、自分がイメージした距離感に対していかにスムーズな
ストロークが重要かということです。

そのために、最初はロングパットでは前傾角度を浅くして、クラブを握らず、
通常通りの構えでストロークの素振りをしながら、自分なりのスムーズなストロークが
出来る前傾角度を見つけたら、実際パターを持ってボールをヒットしてみることです。

一方、ショートパットでもやはり最初はパターを持たずに、前傾角度を深くしながら、
自分が最もスムーズなストロークが出来る位置を見つけた後、実際にパターをグリップして
ボールをヒットしてみることです。

距離感に応じた前傾角度は人それぞれに違いがありますので、
これは実際何度も練習して最も気持ちよくストローク出来る両手の位置を確認する
必要があります。

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パットの向上に欠かせない要素は、いかにスムーズなストロークをするか、ということ。
そのために実践することは、距離に応じたストロークをイメージし、そのストロークに対して
一番しやすい位置でパターを構えることが重要となる。距離が長くなれば上半身の前傾角度を
浅くした方がストロークはしやすくなるので、グリップの位置は地面から遠くになる。
その反対でショートパットは前傾角度を深くした方がストロークしやすくなるので、
パターを短く持つことで、入る確率が向上する。人によって構えた時のパターの握る位置が
違うので、距離に応じた最も動きやすい位置を予めチェックしておくことがポイント。

(写真:ゲーリー小林)

でもここで気をつけたいことは、ショートパットは前傾角度が深くなるとはいえ、
パターを持つグリップの位置がシャフトになってしまってはいけない、ということです。

それと私は今のパッティングスタイルを実践する上で、構えそのものはこれまでと
全く変えていません。距離に応じて前傾角度を単に変えただけで、その結果、
グリップ位置が変わった、という単純なことです」

渡辺プロのアドバイスを聞いただけでは、実に簡単なことですが、
この簡単な行為が、昨年の渡辺プロの大活躍した最大要因だったとは本当に驚きです。
皆さん是非一度トライしてみてください。

渡辺プロ貴重なアドバイスありがとうございました。

Date:2009.06.01 Category:レッスン