ジャンボ尾崎、114勝に向けての飽くなき戦い!
この度の『ジャンボ尾崎将司プロ特集』の中でも目玉となるのが今回掲載する愛用クラブの特集です。特にジャンボ尾崎プロが大事に保管する歴代の愛用クラブは、ほとんどが刻印付きで、実際にジャンボ尾崎プロが数々のトーナメントで使用したモデルとして、これまでは門外不出でした。
文・武藤一彦

韓国・済州島ヘビチCCの日韓対抗戦「現代キャピタル招待日韓対抗戦」は
日本が接戦を制し、史上初めて韓国を破った。
日本が1ポイントリードして迎えた最終日、シングルス10戦を行い、
日本は宮本勝昌、藤田寛之、小田孔明、横尾要が連続で勝つ好スタートを切り、
7マッチ目の薗田峻輔が最終ホールを“オーケー”につけるバーディで楽勝した。


池田勇太、石川遼、片山晋呉をコースに残して早々と勝利を決めた日本。
青木功キャプテンの好采配が光った。ベテランを前半の早いスタートにまとめ、
後半は勢いがあり、世界キャリアのある若手で固めた布陣がまんまと当たった。
キャプテンは「年寄りを前にしたのがよかった、みんな勝負所を押えている
からね。よくやってくれた」と鼻をひくつかせた。
ダブルス戦ではコンビを固定した。第1日のフォーサム(1つのボールを
交互に打つダブルス)では石川・薗田を最終組に、小田龍一・小田孔明、
宮本・藤田、池田・片山、そして横尾・丸山大介のコンビネーションは
2日間安定感があった。
なかでも石川と薗田の若手コンビはチームの柱となった。18歳の賞金王に
とって薗田の存在は恰好の味方だった。その才能ゆえに大きな責任を常に
背負う重圧は、ときに重荷になっていたのだろう。
薗田がプロ入りし優勝し、常に側にいることで“人気の分散”が起こり、
その分石川の負担は明らかに軽減されていた。伸び伸びと、少年らしい石川。
これまで許されなかったちょっとしたミスもさらりと受け流し、素直に
“先輩”薗田に頼る姿にホッとさせるものがあった。

池田・片山コンビはフォアボール(それぞれが1つのボールを打ち、良い方の
スコアがチームスコアとなるダブルス)でもポイントを挙げ、チームに貢献した。
ともに自分の型を持った個性派。二人は声を掛け合い、ポイントを重ねた。
その姿に思いやりとか、かばい、助けるといった、普段一人でやっている
プロツアーでは見えないことが毎ホール見られた。青木キャプテンの中では、
もしかしたらこの二人がエースだったか、そんな風に見えたものだ。

試合結果。
第1日 日本3勝2敗で3対2 韓国
第2日 日本2勝2敗1分け 2・5対2・5 韓国
最終日 日本5勝5敗 5対5 韓国
トータル 日本の10勝9敗1引き分け
ポイント 日本10・5対9・5韓国
わずか1ポイントの僅差。冒頭に「楽勝」という言葉があるが、最終日、
早々と勝利を決めた展開を言ったものだ。日本は池田、石川、片山の三人を
残し優勝を決めた展開が楽勝なのである。
今回アウェー(韓国での開催)で勝ったことも大きな収穫だ。コースは
開催直前の台風に見舞われ、9ホールを二度回る(ピンは切り替えた)など
異例の大会。敵地での戦いはさまざまな重圧、不利があったことも考えれば
大快挙である。
しかし、一方で石川を8バーディの64で突き放したシングルスの相手、
金ヒョンテには自信を持たせたし、片山を69対73で破った韓国の賞金王、
襄相文(ペ・ショフン)も予想通りしたたか。ともに二人は現在日本ツアーの
メンバー。キムは賞金ランク4位,襄もシードをほぼ確実にしている。
さらに韓国は崔京周、Y・Eヤンといった米ツアープレーヤーを“温存”
しての今大会だった。


とはいえ団体戦はいい。そのとき集め得る選手が国の威信をかけた戦い
である。1打1打に国旗への思いがこもる。プレッシャーにさいなまれ
耐えて戦う選手の顔は、普段では見られない緊張を伴っていい。両チーム
ともいい顔、いい笑顔、そして悔しさを押し隠して相手を称え、チームを
思いやる敗者の笑顔もまた良かった。
大会は来年もう一回韓国で行われ、再来年は日本での開催予定。
サッカー、バレーボール、ハンドボール、そしてゴルフ。国の威信を
かけて若者はさまざまなフィールドで年に一回、目一杯競うべきだ。
写真は GDO より
http://www.golfdigest.co.jp/magazine/tournament/
◇武藤 一彦(むとう かずひこ) ゴルフジャーナリスト 評論家。
報知新聞社運動部、編集委員、専属評論家を経て現職。トーナメントの
テレビ解説、コラムなど幅広く活躍。日本プロゴルフ協会(JPGA)理事、
日本ゴルフトーナメント振興協会メディア委員会委員、世界ゴルフ殿堂
選考委員。1939年11月、東京生まれ
Date:2010.09.16 Category:リポート