ジャンボ尾崎、114勝に向けての飽くなき戦い!
この度の『ジャンボ尾崎将司プロ特集』の中でも目玉となるのが今回掲載する愛用クラブの特集です。特にジャンボ尾崎プロが大事に保管する歴代の愛用クラブは、ほとんどが刻印付きで、実際にジャンボ尾崎プロが数々のトーナメントで使用したモデルとして、これまでは門外不出でした。
武藤一彦のUSPGAツアーリポート
文:武藤 一彦

宮里藍が米国女子ツアーの開幕戦「ホンダPTT」(2月19~21日、
タイ・サイアムCC)で優勝した。
宮里藍、米国ツアー2勝目!
次はいよいよ米国本土でメジャー取り!
お陰様でという言葉は奥が深い。自らの成功を自分の力として
だけではなく他人の支え、助力に配慮し、心からの感謝をする。
「お陰様」は陰に様をつけて支えてくれた人への尊敬の念も忘れない
という、日本人の心が伝わるいい言葉というわけだ。
宮里藍が米国女子ツアーの開幕戦「ホンダPTT」(2月19~21日、
タイ・サイアムCC)で優勝した。今年の米国女子ツアーは、世界恐慌の
あおりをもろに受け、試合数が減り起死回生の思いを込め、タイで
初めてツアーの初戦としてスタートした。この大会で宮里藍は、
最終日6打もあったスーザン・ぺターソン(ノルウェー)との差を
ひっくり返した大逆転、まさに痛快だった。

それとは別にこの試合は大会名を見れば一目瞭然、ホンダが
スポンサーと、いわば日本の試合でもある。さらに藍ちゃん自身
もホンダのスポンサードを受けているためか、その心意気がまたも
発揮されたか、と感嘆した。
お陰様を優勝で恩返しした宮里の勝負強さに脱帽!
お陰様の手本のような宮里のゴルフ人生に驚きを隠せない。
近々では昨年の「SANKYO レディースオープン」で最終日の同じ
ような逆転で優勝した。
この大会は最終日にベストスコアで上がったら楽勝だ、とだれもが
見た最終組の全美貞(韓国)が、ボギー、ダブルボギーの上がりの乱調で
崩れた、あの試合。
宮里は同大会を05年、「日本女子オープン」を勝った直後、なんと
"ドタキャン"していた。女子オープンの翌週の試合でスポンサーは
その"勇姿"を楽しみにしていたが、宮里は疲れも出て、体調不良で
エントリーしていながら欠場した。
宮里にとってそのことが常に気がかりだったという大会に、昨年が
初出場、そして大会初優勝の恩返しができた。鶴の恩返しならぬ
"愛ちゃんの恩返し"とこのコラムでも紹介した。
この種のことを挙げると切りがない。高校3年、アマ時代に優勝の
「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」は母校・東北高のある
宮城県・仙台と準地元での開催だった。
プロに転向した04年、初優勝を飾ったのは地元・沖縄の
「ダイキン・オーキッドレディス」。同年の2勝目は所属先の
「サントリーレディスオープン」でもあった。
その時、その場の空気を読み、着実に成果を上げる宮里の勝負強さは、
周囲によく行き届いた五体と目配りだ。「ミヤギテレビ杯」でアマ優勝、
自分でプロへの道を切り開いたラッキーガールのように思われがちだが、
自分を読み空気を感じながらの的確な対応こそ、宮里の真骨頂だろう。
アマ時代のことだ。日本アマ、日本ジュニアの2冠を手にしたのは
すべて高校3年の時。遅咲きなのだ。当時、横峯さくら、上原彩子らに
阻まれトイレで涙を洗い流して、敗戦の因を語ることが多かったものだ。
そんな02年秋、アジア大会が韓国・ソウルであった。彼女は
「日本女子オープン」(箱根)と日程がぶつかると迷わず日本代表の道を
選んだ。本来ならジュニアの星といわれ日本ナショナルチームのエース
として日本一を決める「日本女子オープン」の方が、宮里には当然の
ごとく大切な試合だったはずだが。
01年の同大会でローアマに輝いている宮里にはオープンがふさわしい、
という世間の声は多かった。だが、彼女はアジア大会を選び、そして
金メダルをとりこう語った。
「アマゴルファーとしてトップになることが今、与えられた私の
やるべきこと。アジア大会に国を代表して好結果を残せて誇りに
思うしうれしい」
次はいよいよ米国本土で優勝する勇姿を!


タイで米国ツアー2勝目。アジアで開幕戦を制したのは偶然ではない
だろう。国は違うがアジアで勝った自信と大逆転はどこかで必ずつながる
はずだ。
「今回はちゃんと自分で2勝目をつかんだという実感があります」
最終ホールのグリーン奥10ヤードをチップインバーディ。その1打が
優勝につながった。してやったり!と思っているのではないか。
今季開幕前の目標に「グリーン周りの正確さとパットの勝負強さ」
をあげ、中でも小技を磨くことを強調し「不調の時でも小技でしのぐ
丁寧で粘りのあるゴルフをしたい」と明確に答えていた。
早くも効果が出たわけだが、パット、そしてアプローチへと自信を
深めてシーズン前の読みはぴたり当たった。

米ツアー5年目。当初立てた「メジャーに優勝したい」の目標に
真正面から挑戦する、期待の持てる今シーズン。今週は米国女子ツアー
第2戦となるシンガポール、次いで日本ツアーの開幕戦のダイキンが
沖縄で。いいゴルフが約束されている。
写真はGDOより
◇武藤 一彦(むとう かずひこ) ゴルフジャーナリスト 評論家。
報知新聞社運動部、編集委員、専属評論家を経て現職。トーナメントの
テレビ解説、コラムなど幅広く活躍。日本プロゴルフ協会(JPGA)理事、
日本ゴルフトーナメント振興協会メディア委員会委員、世界ゴルフ殿堂選考委員。
1939年11月、東京生まれ。
Date:2010.02.25 Category:リポート