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文:武藤 一彦

 

楽しみなロイヤルトロフィ
アジアの"エース"石川 遼に期待!

 

 

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年明けの1月8日からタイのバンコクで行われる男子プロゴルフのアジア選抜と
欧州選抜の対抗「ザ・ロイヤル・トロフィ」を楽しみにしている。
1チーム8人の代表が3日間、シングルス、ダブルスで争う対抗戦は、石川遼が
18歳の賞金王となってシーズンスタートの大会となる。世界を目指す石川が国
の威信をかけた戦いに、エースとして臨む試練をどう乗り切るのだろうか。

会場となるタイのアマタ・スプリングスCCの8番・パー3は世界でも珍しい浮島グリーン。
グリーンまでは舟で往来する。
 
 

 しかし、アジア選抜のキャプテン尾崎直道は頭を悩ませているだろう。
日本ツアーの代表に決まっていた池田勇太が、17日、故障で代表を辞退
してしまったのだ。石川に加え、タイのプラヤド・マークセン、
トンチャイ・ジェイディ、インドのジーブ・ミルカ・シン、
中国のW・リャン、韓国のチャーリー・ウィー。これに池田が
いればアジア選抜は万全のはずだった。ところが、池田は今シーズン末
から苦しんだ右手首、左腰の故障が思わしくない。無念の"戦線離脱"
となった。

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今年もチームアジアのキャプテンは尾崎直道。鉄壁の布陣だったはずが・・・
 
 

 「3大会連続でキャプテン。名誉なことだ」とやる気満々の尾崎だったが、
頭が痛いことだ。米ツアーに10年挑戦、チャンピオンズツアー4年目も、
先のQT(出場予選会)2位で来季の全試合出場のシード権獲得。闘争心、
勝負勘では右に出るものがいない。チームリーダーとしてはこれ以上ない
闘将も、次なる選手を選ばなければならない。

 対抗戦。トーナメントにはない面白さだ。愛国心、国を背負う心が不足
しがちといわれる日本にとって、団体で勝負を争うスポーツマンシップの
得難い場となる。先の米国・世界選抜対抗戦の「プレジデンツ・カップ」
に石川遼が選出され、フィル・ミケルソンやタイガー・ウッズらと必死で
戦う姿を、手を握り締めて見たゴルフファンも多かったはず。国やツアー
を背負ってやるゴルフの厳しさ、難しさ、と晴れがましさ、面白さは表裏
一体。いやが上にも勝負にこだわるとゴルフほど難しいものはない、
とつくづく思ったものだ。

 

 

個人競技のゴルフが国やツアーの威信を懸けて戦う。
団体戦の面白さがまた違った感動を呼び起こす!

 

 ゴルフ界には伝統的に国対国、ツアー対ツアーの対抗戦は多い。対抗意識
の強い英欧州の対抗戦としては男子プロの「ライダー・カップ」、女子の
「ソルハイム・カップ」、アマ男子の英米戦「ウォーカー・カップ」は
1922年から、女子の「カーチス・カップ」は1932年から行われて
いる。前述の「プレジデンツ・カップ」は1994年から始まったが、
「ライダー・カップ」が英欧州対抗で、日本や豪州、フィジーなどほかの
国のプレーヤーは出場資格が回ってこないことから、スタートしている。

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2010年は日本ツアー賞金王として参戦する石川 遼。
どんな活躍を見せてくれるか楽しみだ!
 
 

 「ザ・ロイヤル・トロフィ」はアジアンツアーの主要メンバーのタイが、
王室からトロフィを戴いて開催するアジアの祭典だ。アジアにゴルフ
ツアーを進展させる欧州ツアー、日本を含め交流してきたアジアツアーが
雌雄を決しようと全知全能、ありったけの技術を駆使して戦う場である。

 2006年に始まって3回目の09年大会(08年はタイ王女死去で中止)
は、石川にとってはうれしさ半分悔しさ半分となった。チームは3回目にして
初めて勝ったが、自身は2引き分け1敗とチームでただ一人、勝ち星を挙げ
られなかった。しかし、世界注視の中、17歳は毎試合、第1試合でスタート
を切り、思い切りのいいプレーでムードを盛り上げた。

 最終日はデンマークの世界ランキング46位のソレン・ハンセンと一進一退、
17番でバーディを決めて追いつき引き分けた。勝ちは1点、引き分けは
0・5点、負けは0点。合計ポイント、アジア選抜が10対6で勝利した。
石川は貴重な1点をあげ「優勝はうれしい、結果は満足」とチームメイトと
記念写真におさまった。なれない団体戦だった。「人生2度目のマッチプレー
だった。ストロークプレーより忙しい、反省したり悔しがったりする暇がない」
と苦笑し「今回はドライバーショットが納得いかなかった。次に来た時は
違う姿を見せたい」といった。
 1月8日、タイ。アマタスプリングカントリークラブ。"次"はもうすぐ。
成長を見せる時だ。

写真はすべてGDO

 

 

◇武藤 一彦(むとう かずひこ) ゴルフジャーナリスト 評論家。
報知新聞社運動部、編集委員、専属評論家を経て現職。トーナメントの
テレビ解説、コラムなど幅広く活躍。日本プロゴルフ協会(JPGA)
理事、日本ゴルフトーナメント振興協会メディア委員会委員、世界ゴルフ
殿堂選考委員。1939年11月、東京生まれ。

Date:2009.12.22 Category:リポート