ジャンボ尾崎、114勝に向けての飽くなき戦い!
この度の『ジャンボ尾崎将司プロ特集』の中でも目玉となるのが今回掲載する愛用クラブの特集です。特にジャンボ尾崎プロが大事に保管する歴代の愛用クラブは、ほとんどが刻印付きで、実際にジャンボ尾崎プロが数々のトーナメントで使用したモデルとして、これまでは門外不出でした。
武藤一彦のUSPGAツアーリポート
文:武藤一彦
日本マスターズシーズンと名付けよう。
春の祭典「マスターズトーナメント」(4月8日~11日、
米ジョージア州オーガスタ)まであと3週間、日本勢は
石川遼がいよいよ18日(日本時間で19日)から米ツアー
参戦、前週から準備に入った池田勇太とそろって
「トランジションチャンピオンシップ」(フロリダ)に
出場、マスターズに向け始動した。

石川遼の今季デビュー戦は初日最下位と屈辱のスタートとなった
この時期、いまだオフの日本ツアー前に、スター選手が世界に
挑戦する恒例の海外遠征は、いうまでもなくマスターズへの調整と、
来るべきシーズンに向けた大事な連戦だ。片山晋呉も満を持して
3月末から参戦する。今シーズンのメジャー第1戦に向け、いよいよ
国内期待のプレーヤーのシーズンが開幕した。
フロリダのパームリゾートにあるイニスブルックリゾート&GC。
石川の今季デビューは散々だった。
出だしでバンカーに放り込みボギースタート、3番もボギーとすると
ショットも乱れた。以後、セカンドショットの距離感が全く合わずに
アウト42。インの13番ではティショットをウォーターハザードに
入れるなど41でトータル83。
出場144人中の144位と屈辱のスタートとなった。
「アイアンがフライヤーになった。グリーンを捉えられずスコアを
落とした。ショットは悪くない、苦しい時のパットをもう少し我慢
して入れておきたかった。初戦ということで意気込みはあったが、
強い気持ちの表れで、あすは60台をマークしたい」
ホールアウト後、反省の言葉が連続したが、いつもの通りめげては
いなかった。石川にとってすべてが裏目に出てしまったのだ。
だが、ドライバーショットはさして心配することはないだろう。
石川のもっとも得意とするショットである、飛距離を目指すパワー
ゴルフの追求に暗雲という声もありそうだが、これまでも挫折しては
立ち直ってきた。
問題はアイアンの距離感だ。フロリダの強い太陽を受けた芝、
バミューダグラスのグリーン、湿気のある海風。すべてプロ2年生の
経験不足からきていると見ていい。18歳で賞金王になったとはいえ、
アメリカが未知の国であることに変わりはない。
挑戦2年目の今年は、去年よりも成長著しいといわれるが、石川
とはいえ、いまだ解決できない問題点は決して少なくない。

ゴルフはわかってからが難しいといわれるが、昨年、初めて
アメリカツアーを体験、「トランデションチャンピオンシップ」
では、初日に69でスタート、予選通過し71位。下位に終わったが、
"新人"には貴重な体験と自信となった。
しかし、ここに落とし穴がなかったか?
今回は意気込みが空回り、いつもよりスウィングに間がなく、
ミスショットを多発した。精神的に余裕がないまま、もどかしさが
先だって冷静でいられず、アプローチのミス、もったいないショート
パットミスにつながった。
世界の評価が意外と高い、池田の経験が有利か?
池田は3オーバーの102位。前週の「WBC選手権CAチャンピオン
シップ」では22位。ダブルボギーがあり順位はよくないが、好調を
維持できているようだ。
海外経験に関して言えば、石川より池田の方が経験値は上とみて
いい。高校時代から日本のトップ、東北福祉大ではナショナルチーム
のエース、世界と対戦する修羅場を誰よりも多く潜り抜けている。

昨年の「全英オープン」の際、R&Aのピーター・ドーソン・
セクレタリーは、「イシカワもすごいが、日本にはイケダユウタと
いうもっとすごいプレーヤーがいるじゃないか」と語っている。
世界のトップアマとしての池田の長いキャリアとそのレベルの
高さは、日本の評価より世界の方が高い。
池田は日本を出発前、「ハワイ合宿で、ラウンド後1日300から
500発打ちこんだ。それを7日間、びっしりやった」生き生きと
語ったものだ。
忘れもしない2009年のシーズン終盤。
石川との激しい賞金王争いの渦中に、左手首と腰の故障で苦しんだ。
選手生活がこの怪我でついえてもおかしくない、そんな危機感も
あり、懸念したものだった。
そのため、今年はシーズン前に年間を通して身体のケアを
診て貰える千葉の病院とも年間契約をした。
ハワイ合宿の成果は、そんな心配を吹き飛ばす明るい材料だった。
しっかり練習をこなして臨んだアメリカ。前週の上々の出だし。
マスターズをにらんだ時、順調にきていると断言できる。
「トランディションチャンピオンシップ」。
第1日トップに立ったのは、1996年デビューのギャレット・ウィリス
(米)。タイガーと同期の36歳の中堅選手は、昨年の米国下部ツアーの
ネーションワイドツアーランキング12位の条件付きシード選手。
苦労しながら頑張ってきた。1打差2位には、2連覇を目指す
レティーフ・グーセン(南ア)、ジム・フューリック(米)。
マスターズへ向けた戦いは始まったばかりだ。

写真はPGA TOURより
◇武藤 一彦(むとう かずひこ) ゴルフジャーナリスト 評論家。
報知新聞社運動部、編集委員、専属評論家を経て現職。トーナメントの
テレビ解説、コラムなど幅広く活躍。日本プロゴルフ協会(JPGA)理事、
日本ゴルフトーナメント振興協会メディア委員会委員、世界ゴルフ殿堂
選考委員。1939年11月、東京生まれ。
Date:2010.03.22 Category:リポート