ジャンボ尾崎、114勝に向けての飽くなき戦い!
この度の『ジャンボ尾崎将司プロ特集』の中でも目玉となるのが今回掲載する愛用クラブの特集です。特にジャンボ尾崎プロが大事に保管する歴代の愛用クラブは、ほとんどが刻印付きで、実際にジャンボ尾崎プロが数々のトーナメントで使用したモデルとして、これまでは門外不出でした。
文:武藤 一彦

対抗戦慣れした欧州勢に惜敗!
勝ち運がなかった? 石川 遼!
アジアとヨーロッパのツアー対抗戦「ザ・ロイヤル・トロフィ」は
欧州が8・5対7・5で勝ち優勝した。
2連覇を目指したアジアは第1日こそリードしたものの2日目に
逆転を許し、最終日の追い上げもわずかに及ばなかった。通算成績は
欧州の3勝1敗。ゴルフの発祥地で欧州対米国の「ライダーカップ」
など、対抗戦の経験豊富なイギリスを中心とした欧州チームの力は、
アジア勢ではまだまだ及ばないということだろう。大会を終わっての
課題や今後の展望をまとめてみた。

石川遼は1勝2敗。アジアチームの世界ランキングトップとして
期待されながら、チームへの貢献度は低かった。最終日のシングルス
8戦は、4組を終わってアジアは3人が勝ち1引き分けを挟んで追い上げた。
しかし、残る4戦は1引き分け、3敗とついには逆転に至らなかった。
石川がチームのエースとして5番手で"要(かなめ)"を任されたが、
スウェーデンのハンソンに5エンド4の大敗を喫したのが痛かった。
石川には期待感があっただけに残念。
しかし、これがゴルフだろう。18ホールのマッチは調子の波、
展開の綾(あや)で勝敗はいかようにも変わる。今大会の石川には
勝ち運がなかったということだ。

しかし、ゴルフの調子は明らかに悪かった。中継テレビでも何回も
言っていたが、名物ホール、8番・パー3のフローティング(浮島)
グリーンでの"池ぽちゃ"には驚いた。8番はウォーターハザードに
浮かぶ"浮き島"でオーバーして池に入れてしまった。
ショートアイアンで島に触りもしなかった。さらに、11番パー5の
ティショットを池に入れたショットはもっと気がかりだ。11番は
2日目も右にふかして放り込んだミスを繰り返した。石川がプロとなって、
恐らく初めて見せたドライバーの"大きな隙"だったように思う。
勝負所では必ず見る者の予測を超えたファインプレーを見せ続けてきた
石川だけに、体調不良、ダメージの後遺症が心配される。大きな気がかり
となった。

ゴルフの醍醐味を伝えるマッチプレーの妙技!
日本のリーダーシップで存続の危機の回避を願う!
タイのアマタスプリグCCは、米国設計家のデザインしたリゾート
コース。大会は欧州、アジアツアーの共催となっているが、どちらか
といえば欧州主導。アジアにとっては地元でありながら欧州勢の方が
慣れたコースといえよう。
欧州のアジア進出は21世紀に入り著しい。かつてアジアサーキット
として日本はじめ10カ国を転戦していたが、今は欧州ツアーとの
共同開催が26戦中6戦もある。その点からも、かつてアジアの
リーダーだった日本の返り咲きが強く求められる。
大会は不況のあおりでスポンサー離れの心配もあるという。
「ライダーカップ」はじめアマの対抗戦も盛んな英米にならって
米国対世界選抜の「プレジデンツカップ」も軌道に乗った。そんなさなか、
ようやく動き出した欧州とアジアの対抗戦だ。火を消してはなるまい。
来年も開催されることを切に祈りたい。
いっその事、日本で開催することはできないものだろうか。
今後は日本のリーダーシップが発揮され対抗戦が、存続されることを
願うばかりだ。
世界は狭くなったことをつくづく、改めて、感じたことでもあった。
欧州のプレーイングキャプテンのモンゴメリーは46歳。スコットランド
の名選手で欧州ツアーで7連続8回の賞金王を獲得しているツワモノ。
対する尾崎直道も日本ツアー31勝、日米ツアー、今は米シニアの
チャンピオンズツアーの常連だ。欧州チームのエース、スウェーデンの
ステンソンは世界ランキング7位、ほかに世界ランク50位以内の
カールソン(スウェーデン、28位)ケルドセン(デンマーク、35位)
ダイソン(イングランド、43位)たちはマスターズで世界を沸かす
だろう代表的プレーヤーたちばかりだ。

カールソンは昨秋のダンロップフェニックス(宮崎)でモリナリ兄弟の
弟エドアルドとプレーオフを展開した、あの選手である。今回は徹底的に
アジア勢を苦しめてくれた。イタリア人のモリナリ兄弟もマスターズに
揃って出場が決まっている。
対抗戦の面白さは、1対1、あるいは2対2で争うことにある。
マッチプレーはゴルフの原点にある。現在主流のストロークプレーは
ギャラリーが大勢になり、テレビがより多くのプレーヤーを必要とした
とき一挙に決着をつける方策として採用されたのである。
ゴルフは本来が、ひとホールで決着をつけるマッチプレーで雌雄を
決した。あの広いコースで二人だけ、あるいは数組だけの争い。そんな
プレースタイルこそ豪華で、贅沢で、潔い。誇り、意地、権威を感じた
プレーには必ずそこに感動があるものである。
写真はGDOより
◇武藤 一彦(むとう かずひこ) ゴルフジャーナリスト 評論家。
報知新聞社運動部、編集委員、専属評論家を経て現職。トーナメントの
テレビ解説、コラムなど幅広く活躍。日本プロゴルフ協会(JPGA)
理事、日本ゴルフトーナメント振興協会メディア委員会委員、世界ゴルフ
殿堂選考委員。1939年11月、東京生まれ。
Date:2010.01.18 Category:リポート